そもそも人事異動とは、会社の中での人事上の立場や、働いている部署、事業所などが変更されることを指します。
よく「異動」のことを「移動」と間違える人もいますが、現在働いている支店から別の支店へ移動させられるなど、単に場所を移動するだけの意味ではないため、「異動」という言葉が使われています。
人事異動が行われる目的としては、昇進（係長から課長になるなど）や、適材適所の人材配置、そして部署の閉鎖や縮小などに伴う雇用の維持などが挙げられます。人事異動は、今まで働いていた職場が変更されることもあるため、その決定を受け入れがたいと感じる場合も多いと言えますが、会社側には広範な人事権が認められているため、「基本的には拒否できない」ということになっています。しかし、雇用契約書によって勤務地や職種などがあらかじめ決められている場合や、その社員に対する嫌がらせなどを目的とした権利の濫用が行われていると認められる場合、そして育児や介護などのやむを得ない理由がある場合などは拒否することが可能だとされています。
また、よく起こりがちなトラブルとしては、単身赴任などで費用負担が大きくなってしまう場合や給与が変動（減額等）してしまう場合などが挙げられます。費用負担に関しては、負担や不利益が大きすぎる場合は異動を拒否することが可能ですし、給与の変動に関しては就業規則や賃金規程に反していないかどうかを確認した上で是正を求めることが可能になるようです。